Concept
“Musica Vera”とは「本物の音楽」という意味を表すイタリア語で、「少しでも音楽の核心に近づいてみたい」
という私たちの思いが込められています。
そのために、私たちは単に集まって練習を行うだけでなく、メンバー全員で以下の2つのアプローチを行い、大作曲家が残した素晴らしい作品群に迫ってみようというユニークな取り組みを行っています。
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構造理論的アプローチ(演奏会で取り上げる曲のアナリーゼ)
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感情・意志的アプローチ(絵を描く創造性回復プログラム『EGAKU®』を実施して、演奏者一人ひとりがが持つ曲のイメージを共有)
演奏会では、こうした取り組みを踏まえて、お客様向けの楽曲解説や参加メンバーが描いたEGAKU作品の紹介を行い、演奏を聴く皆さんにも少しでも音楽を楽しんでいただけるように工夫を凝らしています。
2つのアプローチの概要
1. 構造理論的アプローチ ~作曲家を招聘してレクチャーを実施~
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作品の背景状況の共通理解
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作曲家の生涯
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当時の社会経済状況・思想史的背景
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作曲当時の状況 など
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楽曲の分析
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楽曲の構造(形式等)
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和声分析
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オーケストレーション(役割分担)
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その他活用されている作曲技法 など
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2. 感情・意志的アプローチ ~演奏する曲をテーマに創造性回復プログラムEGAKU®を実施~
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実施したアナリーゼと自分が演奏した体験に基づいて、この曲にどんな思いや感情を抱いているかについて、EGAKUを活用して表出化し、それをメンバー間で共有しあう
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どんな思いで取り組んでいるか
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どんな感情か
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どんな情景が思い浮かんでいるか
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曲全体や特定の楽章やフレーズをどう捉えているか など
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指揮者も交えて実施することで、メンバーの思いの把握や気づかなかった新たな視点など、創造のインスピレーションを得ることができる
EGAKU®とは?
「自己認知力」「多様性の受容」「創造力」を育む体験型プログラム
アーティスト谷澤邦彦のアートに対する哲学から生まれ、株式会社ホワイトシップが推進するアートによる創造性開発プログラムであり、一方でアートインキュベーションプロジェクトでもある。子どもからおとなまでを対象とした参加者は、2021年6月現在延べ2万人以上にのぼる。
「鑑賞」と「創作」を繰り返すことにより、これからの時代に必要な「自己認知力」「多様性の受容」「創造力」など「非認知能力」を高める狙いから経営者、人財育成担当者、コンサルタントなどのファンも多く、企業への導入は200社を超える。2015年4月より2年間「ダイアモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー」にて「リーダーは描く」が連載され、各界のリーダーが本プログラムを通して自身の仕事観を語る記事が話題となる。
当オーケストラでは、当初より演奏する曲をテーマとして、オーケストラメンバーがEGAKUワークショップを体験し、楽曲に対するイメージの共有に活用してきました。
2021年9月のワークショップの様子